食事について

透析患者さまへ 食事のみかたえりし透析患者さまへ 食事のみかたえりし

人工透析を行っている患者さまに気をつけていただきたいことを「み・か・た・え・り・し」にまとめてみました。
食事は人が生きていく上でなくてはならない「味方」です。
その味方をしっかりと「選んで」いくことが食事管理。
「味方選りし」で快適に!

水の摂りすぎに気をつけましょう水の摂りすぎに気をつけましょう

腎臓の機能が正常な場合、体内に取り込まれた余分な水分を尿として排出しようと調整しますが、腎臓疾患のある患者さまの場合、その調整がきかないため、体内に水分が溜まってしまいます。
そのため、むくみ・血圧上昇・呼吸困難などの症状が現われます。
飲み水はもちろんのこと、食事中の水分にも気をつけることが大切です。

カリウムの摂取を控えましょうカリウムの摂取を控えましょう

カリウムは血液の浸透圧や体内のミネラルバランスを調整したり、
筋肉や心筋の活動を正常に保つなど、さまざまな働きをするミネラルの一種です。
腎臓機能が正常であれば、体内の余分なカリウムは尿と一緒に排出されるのですが、
腎臓疾患があり、尿が排出されにくくなると余分なカリウムが体内に残ってしまいます。
筋力低下・むくみ・高血圧などの症状を起こしたり、
心臓が止まってしまうなど、大変危険です。
カリウムは海藻や野菜など、体に良いとされているものに多く含まれているので食事には注意が必要です。
調理法のヒントとしては、カリウムの水に溶ける特性を活かし、水にさらしたり茹でたりすることをおすすめします。その際はよく水切りをしましょう。

たんぱく質は良質なものを摂取しましょうたんぱく質は良質なものを摂取しましょう

たんぱく質は適度に摂取しなければ、栄養不良や筋肉量の低下を起こします。
適度に良質のたんぱく質を摂るようにしましょう。
肉・魚・玉子を使ったお料理がおすすめです。


エネルギーは適切に摂取しましょうエネルギーは適切に摂取しましょう

食べ物は人間にとってのエネルギーです。体を動かす・物を考える時に必要なことはもちろん、寝ている間でもエネルギーは消耗しています。
また、人工透析中は横になっていますが、エネルギーをたくさん消耗しています。
しかし摂りすぎは危険です。
適度な運動を取り入れながら上手に食事管理をしましょう。

リンの摂取を控えましょうリンの摂取を控えましょう

リンは魚・肉・大豆類・牛乳などに多く含まれていますので、
現代の食生活ではリンが不足することはないと考えて良いです。むしろ摂り過ぎに注意すべきです。
骨・歯をつくるために必要な成分であるリンが体内に蓄積されてしまうと、
骨折や関節痛の原因になったり、だるさ、かゆみ、動脈硬化などの症状が起こります。
通常、リンもカリウムなどと同じように、尿と一緒に排泄されるのですが、
腎臓疾患の患者さんは尿の排泄がうまく機能しないので、リンを過剰に摂取しないように注意しなくてはなりません。
ただ、リンの過剰摂取を気にしすぎて、肉や魚を控えてしまうと、抵抗力が落ちたりたんぱく質が不足したりしますので、注意が必要です。

塩分の摂取を控えましょう塩分の摂取を控えましょう

塩分の摂りすぎは、高血圧や胃がんの原因とも言われており、健康な人も注意が必要です。
塩分を摂りすぎると、体が水を欲しがります。通常なら余分な水は尿と一緒に排出されますが、腎臓がうまく機能していないと尿の排泄がうまく行われなくなります。
そのため、塩分の摂り過ぎについては大変注意が必要です。

管理栄養士より

人工透析を行っている患者さまは、日常生活で腎臓機能が正常に働かないため、体内の不要な成分をうまく排出することができません。
そのため、栄養管理をしっかり行う必要があります。しかし、「摂り過ぎ」を気にしすぎると栄養不足・エネルギー不足になり、体調を崩しかねません。
適度に食べて適度に運動することを心がけていただきたいと思います。
森木病院では、入院患者さまの食事管理はもちろんのこと、通院患者さまの栄養食事指導もお一人おひとりの体調や特性、生活スタイルに合わせて無理のないアドバイスを行っています。


医療法人光生会 森木病院
管理栄養士 小松尚子

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